アメリカの運輸省(Department of Traspotation:USDOT)の自動車や運転者の安全を監視することを目的に設立された部局です。特に交通事故による大きな傷害が発生する重大事故や死亡事故の削減を図るため、自動車や道路システムにかかわる安全性調査の実施、情報の公開、安全規格の制定などを行っています。この公開されているデータが今後、ADASおよびADの開発に大きく貢献することが期待されています。
NHTSAについて
米国運輸省道路交通安全局って、どんな目的の組織ですか?
重大事故や死亡事故のデータを収集・分析・公開することで、より安全な自動車の開発・製造、また運転者にそのフィードバックを行い、交通事故を減らすことをすること目的に設立されたアメリカ運輸省の組織です。
道路交通安全局が公表している情報にはどのようなものがありますか?
国立統計分析センター(NCSA)と一緒に次のようなレポートやデータをインターネットに公開しています。
どのようなデータを公開しているか、詳細を見てみましょう!
NHTSAが公開しているレポートやデータ
事故ミクロデータ:
- Crash Injury Research Engineering Network (CIREN)
- Crash Investigation Sampling System (CISS)など
事故マクロデータ
- 州の交通安全情報(STSI)
- 死亡率分析報告システム(FARS) など
Crash Injury Research Engineering Network (CIREN)
自動車の衝突事故の発生状況とその傷害内容をまとめたデータベースで、Crash Injury Research Engineering Networkの頭文字をとって、CIRENと呼ばれています。1996年に発足し、年間約330事故の調査を8つの外傷センターで行っています。
調査データはインターネットから、Crash Viewerを用いて、交通事故の発生状況、傷害程度、事故車両写真・EDRデータなどが確認できます。
- Children’s Hospital of Philadelphia
- R Adams Cowley Shock Trauma Center
- University of Michigan Health System Program for Injury Research & Education
- Harborview Injury Prevention & Research Center
- San Diego County Trauma System
- Inova Fairfax Hospital CIREN Center Fairfax Hospital CIREN Center
- The Froedtert Hospital & Medical College of Wisconsin CIREN Center
- Toyota Wake Forest University School of Medicine CIREN Center
Crash Investigation Sampling System (CISS)
老朽化した事故調査データベースのNASS CDSの代わりにCrash Investigation Sampling Systemが設立されました。アメリカ全国で2017年時点で18州の24拠点(拡大中)で年間4000~4500件の交通事故の詳細データ収集を行っています。
NHTSAやその公開している情報は理解できました。この組織が自動運転と関係があるんですか?
はい。今年の6月末に次のようなADASおよびADで傷害事故がアメリカ国内の公道で発生した場合の報告が義務付けられました。この報告義務で自動車メーカーは事故発生を確認したら1日以内に事故の概要を報告することが必要となっています。特にADAS・ADの交通事故発生は関心が高いですね。
ADAS/AD傷害事故の報告義務付け
NHTSAは、20021年6月29日に、SAEレベル2の先進運転支援システム(ADAS)やSAEレベル3~5の自動運転システム(ADS)を搭載した車両を製造メーカーおよび事業者に、米国の公道で発生した事故を報告するように義務づけました。
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